「道路の一般使用」と「道路の特別使用」

道路占用許可申請とは 道路占用許可に関わる法律

 「道路の一般使用」と、「道路の特別使用」とはそもそもなんでしょうか。

 道路使用許可申請、道路占用許可申請や、足場設置許可申請をする方ならば皆さんご存知のようで、意外と「根本」をご存知ない用語です。

 このページでは、専門の行政書士が、「道路の一般使用」と「道路の特別使用」について詳しく解説します。

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「道路法」における「道路」

 そもそも「道路」とはなんでしょうか。

 当たり前のこと過ぎて考えたこともない、という方も多いと思います。

 法律は複雑で、それぞれの法律ごとに「道路」の定義は異なっています。

 例えば「道路占用許可申請」の根拠となる「道路法」と、「道路使用許可申請」の根拠となる「道路交通法」とでも「道路」の定義は異なっています。

 例えば、いわゆる「私道」について、「道路法」では「道路」に該当しませんが、「道路交通法」では「道路」に該当します。

 従って「道路法」が根拠となる「道路占用許可申請」の対象にはなりませんが、「道路交通法」は根拠となる「道路使用許可申請」については対象となります。

 法律に慣れない方には少し難しい考えかと思いますが、ひとまず、「法律によって、道路の定義は異なり、道路に該当するかどうかが異なる。」ことを理解していただければよいと思います。

 このページでは「道路占用許可申請」を検討しますので、これ以下では「道路法」の「道路」を考えることにします。

道路の一般使用

道路法における「道路」

 そもそも道路法における「道路」は、「道路管理者によって一般交通の用に供されるもの」を言います(道路法(1952年(昭和27年)法律第180号)第2条第1項)。

 これが「道路法における道路」です。

 法律を確認してみましょう。

道路法(1952年(昭和27年)法律第180号)

第2条第1項
 この法律において「道路」とは、一般交通の用に供する道で次条各号に掲げるものをいい、トンネル、橋、渡船施設、道路用エレベーター等道路と一体となつてその効用を全うする施設又は工作物及び道路の附属物で当該道路に附属して設けられているものを含むものとする。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=327AC1000000180#5

道路の一般使用

 「一般交通の用に供されるもの」の効果として、一般の人や車などの自由な通行が認められています。

 つまり、通常、道路は自由に通行することができます。

 このような道路の使用は、道路法の定める道路の本来の用法に従うところから「道路の一般使用」と呼ばれます。

 「道路の一般使用」とは、「人や車などが自由に通行すること」を言います。

 「道路の一般使用」については、これを規定する明文の規定があるわけではありませんが、道路法(1952年(昭和27年)法律第180号)第2条第1項で確認したとおり、道路が道路管理者により一般交通の用に供される関係から反射的に生じる効力としていわば当然に認められているものです。

 この「道路の一般使用」こそが道路の本来の存在目的とされているわけですから、いわば当然の帰結と考えてもいいでしょう。

 このように、人や車は特別の手続きが必要ということもなく、自由に道路を通行することができます。

道路の一般使用の限界

 以上で見たように、道路の一般使用が認められていますが、これは全く完全な道路の自由使用が認められているわけではありません。

 道路の一般使用には一定の制約が課されます。

道路の一般使用に対する公共の福祉の観点からの制約

 まず、憲法的観点に基づき、道路の一般使用についても当然に公共の福祉による制限を受けます。

 つまり、「個人相互の人権のぶつかり合いの調整」という公共の福祉は当然、道路の一般使用の場面にも及びます。

 言い換えれば、他人の道路の一般使用を妨げることはできませんから、各自の道路の一般使用について公共の福祉により、相互の調整を受けます。

 これは憲法論によるところの、権利の内在的制約と言って構わないでしょう。

道路管理権に基づく制限

 道路管理上の必要から、道路の一般使用について制限を課したり、道路の一般使用の範囲を限定することができます。

 具体的には、道路法第46条で定められています。

道路法(1952年(昭和27年)法律第180号)

第46条
 道路管理者は、左の各号の一に掲げる場合においては、道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため、区間を定めて、道路の通行を禁止し、又は制限することができる。
一 道路の破損、欠壊その他の事由に因り交通が危険であると認められる場合
二 道路に関する工事のためやむを得ないと認められる場合

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=327AC1000000180#406

道路警察権に基づく制限

 社会公共の秩序を維持する必要性がある場合には、道路警察権に基づく制限が行われます。

 具体的には、道路交通法第4条や道路交通法第6条で定められています。

道路の特別使用

 このように「道路」の本来の役割は「人や車などが自由に通行すること」、つまり、「道路の一般使用」です。

 ですが「道路」は場所と場所とつなぐ最も根幹となる社会インフラですし、最も根幹的な交通網ですから、道路を利用して、公的にも私的にも様々な「通行すること」以外に使用する必要が生じます。

 例えば、公的には、道路の上空や道路の地下を使用して、電気やガス、水道、下水道を整備することが広く行われています。

 これらを整備するためには、電柱や電線、ガス管、水道管や下水管を設置することが不可欠です。

 また、公的、あるいは私的に、道路の上空や道路の地下、あるいは道路そのものを使用して、鉄道や地下鉄、路面電車を運行することも広く行われています。

 これらを運行するには、送電線や線路が必要となります。

 このように道路には「公共用地」として、これらの施設を設置することは現代社会において不可欠です。

 こうして、道路には「人や車などが自由に通行すること」という本来的役割、つまり「道路の一般使用」以外に、社会生活のインフラの設置場所としての役割も担っています。

 このような、「人や車などが自由に通行すること」以外の使用のことを「道路の特別使用」と呼びます。

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