期間の計算法

 道路使用許可や道路占用許可では「期間」が重要になる場面が多いです。

 例えば、道路使用許可で「7日間有効」という場合や、道路占用許可で「期間は二月間」とする場合が典型です。

 では、この「期間」はどのように計算するのでしょうか。

 当たり前のようでいて、法律が専門でない方には法律の「期間」の計算の仕方は意外に知られていません。

 法律における「期間の計算」について、専門の国家資格者である行政書士が解説します。

期間とは

「期間」とは

 「期間」とは、「ある時点からある時点までの継続した時の区分」を言います。

 例えば、2020年5月1日から、2021年4月30日までの「時の区分」を言います。

 「期間」はその経過によって法律効果を発生させる場合があるなど、法律上、様々な場合で登場する重要な概念です。

 「期間」が登場する重要な法律はたくさんありますが、一つの例を挙げれば「時効」でしょう。

 もちろん、これはたくさんの例の中の一つに過ぎません。

「期間」の決め方

 期間は当事者間の合意で決められる場合もあれば、法律の規定や裁判所の命令などによって定められる場合もあります。

 民法は期間の計算に関する一般的な場合を定めていますが、「期間を定める法律行為」などによって期間の計算方法が定められている場合にはそれによることとなります(民法(1954年(昭和29年)法律第89号)第138条)。

 民法(1954年(昭和29年)法律第89号)第138条の規定を確認してみましょう。

民法(1954年(昭和29年)法律第89号)

(期間の計算の通則)
第138条
 期間の計算方法は、法令若しくは裁判上の命令に特別の定めがある場合又は法律行為に別段の定めがある場合を除き、この章の規定に従う。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#491

 民法(1954年(昭和29年)法律第89号)第138条により、明確に期間の計算方法の優劣が規定されています。

 つまり、優先されるのが、「法令もしくは裁判上の命令に特別の定めがある場合」または「法律行為に別段の定めがある場合」であり、これらに規定が無かった場合に民法が適用されることになります。

 では次に、「法令もしくは裁判上の命令に特別の定めがある場合」または「法律行為に別段の定めがある場合」を検討することにします。

法令もしくは裁判上の命令に特別の定めがある場合

法令に特別の定めがある場合

 民法の特別な例外を定めた規定としては、戸籍法第43条、年齢計算ニ関スル法律第1項、刑法第23条第1項などが挙げられます。

裁判上の命令に特別の定めがある場合

 裁判所の判決や命令などに、期間についての定めがされる場合があります。

 このように、裁判所の命令に特別の定めがある場合には、これは民法の規定に優先します。

法律行為に別段の定めがある場合

 これは「当事者の合意による場合」と言い換えることもできるでしょう。

 法律行為に別段の定めがある場合、つまり、当事者の合意による場合にはこれは民法の規定に優先する効力をもつことになります。

 「当事者間の合意で定める期間」の典型的なものが、当事者間の契約期間でしょう。

 例えば「このマンションを、2021年12月15日から、2022年1月14日までの期間、貸主は借主に貸し渡す。」という契約です。

「期間」についての民法の規定

「期間」について民法の規定が適用される場合

 以上で見てきたように、「法令もしくは裁判上の命令に特別の定めがある場合」でもなく、「法律行為に別段の定めがある場合」でもない場合には、民法が適用されることになります。

民法の期間の規定は、行政法などの公法関係の期間の計算にも適用される

 民法上の期間の計算方法に関する法律の規定は、民法のような私法的な関係だけではなく、特別の規定が無い限りは行政法などの公法関係の期間の計算にも適用されます。

 例えば裁判所の判例は、衆議院解散後の総選挙期日の起算日について、「初日不算入の原則」(民法第140条)を認めています(大審院判例・1930年(昭和5年)5月24日・民集9巻468号)。

 その意味では、民法という私法上の規定を理解していなければ、行政法という公法も理解できない、という典型例の一つです。

期間の起算点

「時」をもって期間を定めた場合

「日、週、月、年」をもって期間を定めた場合

期間の満了点

「日、週、月、年」をもって期間を定めた場合

 期間の「末日の終了」をもって満了となります(民法141条)。

「週、月、年」をもって期間を定めた場合

 原則として、暦に従って計算します(民法143条1項)。

民法(1954年(昭和29年)法律第89号)第143条1項
 週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#504

「週、月、年」の始めから期間を計算するとき

 その末日が満了日となります(民法141条)。

「週、月、年」の始め以外から期間を計算するとき

 最後の「週、月、年」において、その起算日に応答する日の前日に満了することになります(民法(1954年(昭和29年)法律第89号)第143条2項本文)。

 例えば、「2020年6月11日から二ヶ月間」、というときは、2020年8月10日までが期間になります。

民法(1954年(昭和29年)法律第89号)第143条2項
 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#504